その昔、あるお寺に両目を失った師がいました。
師は子どもの頃から修行している一番弟子を呼んで、言いました。
「不自由でたまらないので、お前の片方の目をくれまいか」
すると弟子は、「もちろん、いつでも差し上げます」
「そこまで言ってくれるなら、両目をもらいたいが、どうだろうか」
弟子は、「師のためでしたら、いつでも両目を差し上げます」と答えました。
師は、弟子が自分の後継者にふさわしいか、
修行の深さを知りたかったのです。
そして、自分を信じ抜き、どこまでも尽くそうとする弟子に、
師は深い安堵を覚えました。
「すまなかった。目などいらぬ。お前の心をもらっただけで十分だ。本当にありがとう」
その瞬間、師の目がパッチリと開いたのです。
師を信じ、自分の体の一部さえ捧げようとした弟子の心と、
弟子の将来を想う師の心を神様は大変喜ばれ、奇跡を起こされたのです。
神様は言われます。「一度信じた人はどこまでも信じて尽くしなさい」と。
たとえ裏切られても、騙されてもいいのです。
誠心誠意の行為は素晴らしい「徳」となり、やがて福運がもたらされます。
あなたの信じる人は誰ですか?
家族や恋人、友達の顔を思い浮かべたでしょうか。
ならば、その人たちを信頼し続けてください。
そして、誰より自分自身を信じてください。
自分を疑ったり、あきらめてはいけません。
できるかできないか、叶うか叶わないか、その間で思い悩む前に、
とにかく自分を信じてやってみるのです。
「こうなりたい」ではなく、「こうなります」と自分に誓って、
夢や目標に向かって取り組んでいってください。
失敗をしたら失敗したで、反省を通して多くを学べます。
その学びを次に生かせば、失敗はすでに失敗ではありません。
懸命な人に対してこそ運は動き、幸せを実現できるのです。